50メートル走のゴール

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小学校では毎年
体力テストがあります。
その中の種目に50メートル走が
含まれています。

巻き尺で50メートルを測り、
スタートラインとゴールラインを
石灰で引くのですが、
教師はそこでちょっとした工夫をします。

ゴールラインの5メートル先に
もう一本のラインを引くのです。

なぜ、ゴールの先に
もう一本の線を引くのでしょうか。

それは、ゴール前でスピードを
落とさせないようにするためです。

小学校の低学年の子どもたちは
特にその傾向が多いのですが、
ゴールのラインが近づいてくると、
「あっ。ゴールだ。」
と思って安心して、
ゴール前でスピードを
落としてしまうのです。

これでは、子どもたちの走力を
正確に測ることができません。

そこで、5メートル先に
もう一本のゴールラインを引いて、
「この線まで、全力で走るんだよ。」
と教えることで、
本当のゴールラインを全力で
駆け抜けさせるのです。

この手法は教師の間では、
当たり前のことなのですが、
先日友達にそのことを話すと、
「へえ、そんなことしてたっけ?」
と言っていたので、
教師以外の人たちは
知らないことなんだと思って、
今回書いてみました。

この指導法と
コーチングの理論とが
見事にマッチしているのです。

それは、
ゴールの設定に関わる理論です。

ゴールを設定するときには、
現状の外側に設定します。
理想的な現状が続いたとしても、
決して達成できないような高いゴールです。

「少年よ、大志を抱け」
ということと同じです。
想像したらブルってしまうような
高いゴールを設定します。

そのゴールに向かって進み、
ゴールが近づいてくると、
人はエネルギーを失ってしまいます。

現状の外側に設定したゴールが、
現状の内側に入ってきて、
「このまま進めば、
 近い未来には、ゴール達成できるな。」
という見通しが立ってくるのです。

そう思ったとたんに、
人はゴールへ向かうエネルギーを
急速に失ってしまいます。

そこで、
ゴールのアップデートを
行う必要が出てくるのです。

ゴールが近づいてきたら、
さらに高いゴールを設定し、
再びゴールに向かうエネルギーを
引き出します。

こうしてゴールは
常にアップデートしていき、
どんどん自分を高めていくのです。

ここまで説明すれば、
50メートル走と
コーチングの理論が
どうつながっているか
わかったと思います。

私たちが何か目標を立てるとき、
例えば、
「新規顧客を50人獲得するぞ。」
としたとき、
50人獲得できる可能性は
あまり高くありません。
40人を超えたぐらいから、
エネルギーが失われてくるからです。

「新規顧客を100人獲得するぞ。」
という目標を立てると、
50人は簡単にクリアできるのです。

より高いゴールを設定しているため、
50人という中間ゴールを
全力で駆け抜けることができるのです。

能力の問題ではありません。
ただ、
正しいゴール設定を
するかどうかなのです。

50メートル走のゴールの、
向こう側にもう一本ラインを引くのは、
低学年の子どもたちだけでなく、
私たち大人にも、
とても有効な手法なのです。

全力で駆け抜けるという
イメージを持って、
常にゴールを
アップデートしていきましょう。

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