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本末転倒

投稿日:2017年12月12日 更新日:

長期研修で大学に勉強に行っているカミさんから、
こんなことを聞いてびっくりしました。

それは、
特別支援学校の先生の研究論文です。

その研究対象となったAさんは、
授業中にじっと座っていることが難しい子どもだそうです。
卒業式を控えたAさんが、卒業式の間ずっと座っていられるように、
次のような指導を行ったそうです。



誰もいない体育館で、椅子に座る練習をさせる。
初めは、1分間。
そして、それができたら次の日に2分間。
そうやって、1分ずつ座っている時間を増やしていく。
その間、Aさんは何をするでもなくただじっと座っている。
それを、2,3週間続けて、結局30分座れるようになった。
めでたしめでたし。

こんな指導が、特別支援学校の研究論文として残っているそうです。

chair-2963765_1920.jpg

それを学生は、ありがたがって読んでいて、
「現場に立ったときに参考にしたいと思います。」
なんて言っているそうなのです。

ただじっと座っていることを訓練するなんて、
なんという非人道的な指導だと思いませんか。

何のために座っているかということが抜け落ちていますよね。
これは拷問にも近い指導だと思います。

卒業式で座っている必要があるのだとしたら、
卒業式の意義を教えたり、
式の一つ一つの動きの意味を教えることこそが
教育なのではないのでしょうか。

Aさんにそれが理解できないのだとしたら、
それは、そんなAさんが出席する卒業式のやり方が間違っています。
Aさんが理解できるような卒業式を行うべきです。

通常の学校ならまだしも、
特別支援学校でこれですから、
ちょっとあきれてしまいまいた。

座っていることが必要ならば、
座っている意味を理解させないといけません。
座っていることはどんなにあなたにとって意味のあることなのか。

それを教えずに、
ただただ、座って何もしないことを強制する。

卒業式という形式が、
Aさんへの指導という大切な時間を奪っています。
本末転倒ですよね。

これは、極端な例かもしれませんが、
学校現場には、こんな本末転倒がよくあります。

ルールのためのルール。
教師の見栄のための指導。
形式を整えるために、膨大な時間を使ったりしています。

こんな本末転倒、もうやめませんか。

そもそも何のためにやっているのか。
これをもう一度見直しましょう。
子どものためになっていないのであれば、
勇気をもってやめましょう。

座る練習をする時間があるならば、
その代わりに、もっとその子のためになることを
教えられるはずです。

死人テストという行動の捉え方があるそうです。

死人にはできないことが「行動」であり、
それ以外は行動の指示にはならないという考え方です。

「しずかにしなさい」
「じっとしていなさい」
は死人にもできることなのです。

Aさんが指示された
「じっと座っていなさい。」
は、まさに死人にでもできることです。

Aさんの人権を尊重しているとは到底思えません。

そんな本末転倒はもうやめましょう。



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