教育

「みんなちがって、みんないい」を実現する教育

投稿日:2018年2月1日 更新日:



金子みすゞさんの有名な詩です。

・・・・・・・・・・
私と小鳥と鈴と

私が兩手を広げても、
お空はちつとも飛べないが、
飛べる小鳥はわたしのやうに、
地面を速くは走れない。

私がからだをゆすつても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴はわたしのやうに
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがつて、みんないい。

「さみしい王女 金子みすゞ全集・Ⅲ」より
・・・・・・・・・・・

人権教育によく使われる教材です。
今風にかっこよく言えば「多様性の肯定」でしょうか。

「みんなちがって、みんないい」
学校の先生でこれの意見に反対する人はほとんどいないでしょう。

でも、一方でこの詩のよさを子どもたちに教えながら、
もう一方で、逆のことを子どもたちに押し付けているという現状があります。

「○○君、まだできていないのはあなただけですよ。」
「○○さん、反対しているのはあなただけですよ。」
こんな言葉が発せられるのは、その子を褒める場面ではありません。

「みんなちがって、みんないい」はずなのに、
みんなとちがう子が叱られている現状があるのです。

残念ながら、先生にとっては
「みんないっしょで、私いい」ことの方が多いのです。
みんなが5分で漢字の書き取りが終えられると、先生は嬉しいです。
みんなが忘れ物をしなかったら、先生は嬉しいです。
みんなが同じようにくつをそろえられたら、先生は嬉しいです。

漢字テストは一律5分と決まっているし、
忘れ物チェックを行うし、
靴箱チェックも行っています。

みんないっしょになるようなシステムになっているのです。



もっと言えば、
「睡眠時間を何時間以上にしよう」
「テレビやゲームの時間は何分までにしよう」
「家庭学習を学年×何分やらせよう」
「掃除の時の服装はこうしよう」
などなど、ありとあらゆる基準を作り、
子どもたちをみんないっしょにしたがります。
その方が指導しやすいからです。

言ってることとやってること、逆ではないですか?

学校があるからこんな本来は意味のないことをやらなければいけない。
全て組織の論理。
そもそもの私たちが大切にするべき、
「子どもの幸せのため」の論理ではないのです。

もっと高い抽象度で考えましょう。

ちょっと話がずれるかもしれませんが、
教育哲学者の苫野一徳さんは、
「自由の相互承認」という概念を提唱されています。

人間は自分が「生きたいように生きたい」と願っている。
だれも、奴隷の生活をしたいと思っている人はいませんよね。
だれもが自由に生きたいという欲望を持っているのです。
私持っているし、あなたも持っている。
私は生きたいように生きるから、あなたも生きたいように生きていいんだよ。

これが「自由の相互承認」です。
私とあなたの意見は違ってもいいのです。
お互いの自由に干渉しない限り。

わたしも自由、あなたも自由
それをお互いに認め合いましょう。
そんな社会って素敵ですよね。

この反対となる考え方が「~すべきである。」という考え方です。

学校にはたくさんあります。
「睡眠時間を何時間以上にすべきである」
「テレビやゲームの時間は何分まですべきである」
「家庭学習を学年×何分すべきである」
「掃除の時の服装はこうすべきである」

それでも、
もっと個に応じた指導をしたい。
もっと子どもの幸せにつながる指導をしたい。
そんな先生もたくさんいると思います。

声を挙げましょう。
「みんなちがってみんないい」の社会を実現するために。



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