教育

発達障害って何?お母さんの悩みを軽くするスペクトラムという考え方

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「うちの子、ちょっとおかしいのかもしれない。」
「他の子と違うのかも。大丈夫かな。」
「発達障害なのかもしれない。」

発達障害のお子さんをもつお母さんの最大の悩みの原因は、
「他の子どもたちと違うこと」です。
もちろん実際に日常生活が困難で、
適応が難しくて困っているという生活上の問題もありますが、
それよりも、
「他の子はできるのに、うちの子だけうまくできない。」
そんな劣等感や疎外感がストレスとなってしまうのです。



そんな劣等感の元になっているのが、
健常児と障害児とを区切る境界線です。
ここからこっちは健常児ですよ。
ここからこっちは障害児ですよ。
という境界線があたかも存在しているかのように感じる考え方のことです。

しかし、実際にはそんな境界線は存在しません。
人間の発達はスペクトラムなものです。
言い換えれば連続体・集合体です。

健常児・障害児という個別のものがあるのではなく。
みんな連続したものなのです。

発達障害でスペクトラムというと
自閉症スペクトラム障害のことを想いかべる人もいるでしょう。
自閉症スペクトラム障害はかつて別の名前で呼ばれていました。

・・・・・・・・・・
これまでアスペルガー症候群、高機能自閉症、早期幼児自閉症、小児自閉症、カナー型自閉症など様々な診断カテゴリーで記述されていたものを、「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害」の診断名のもとに統合されました。
・・・・・・・・・・
引用元https://h-navi.jp/column/article/35025728

今まで個別の障害だと考えていたものを、
連続体だという考え方に変えていったのです。

これは、自閉症だけにとどまらず、
あらゆる発達障害に適応できる考え方だと思います。

人間の発達はスペクトラム(連続体)なのです。

例えば、身長について。
世の中には2メートルを超える身長の人もいますし、
大人になっても1メートルに満たない人もいます。
巨人症だとか、小人症などという言葉もありますが、
それは、平均からどれだけ離れているかという
相対的な物でしかありません。
絶対的な境界線なんてないのです。

例えば、ADHDでもそうです。
ADHDは注意欠如多動性障害と言われますが、
落ち着きがなく、じっとしていることが苦手だという特徴があります。
でも、こういう特徴の人って世の中にたくさんいますよね。
診断を受けていない人でも、落ち着きのない人はたくさんいます。
脳科学者の茂木健一郎さんも講演会で
「私、見ての通り、落ち着きがない人間なんですよ。」
と言っています。
私の友達にも落ち着きのない人はたくさんいます。
街でよく見る、落ち着きがなく延々としゃべり続けているおばちゃんとか・・。

また、自閉症スペクトラム障害についても同じです。
対人関係が苦手な人、いますよね。
人前に出るのが苦手で、いつも静かに本を読んでいる人。
飲み会に誘っても、いつも来ない人。
予定を急に変更されると、すごく機嫌が悪くなる人。

人間の発達はみんなスペクトラムな存在なのです。

ただ単に、平均からどれだけ外れているかという、
相対的な見方として、便宜的に分けているだけなのです。
正規分布表を見てみるとわかりやすいと思います。

身長、体重、視力、聴力、筋力、
対人関係スキル、学力・・・・

あらゆる発達の状態をグラフにして、
平均から一定程度外れた人を、便宜的に「障害」と呼んでいるだけなのです。

平均から外れることを恐れる心理的な作用が、
発達障害のお子さんをもつお母さんを苦しめてしまっています。
残念ながら学校という存在がそんな苦しみを助長してしまっている側面もあります。

でも、人の発達はみんなスペクトラムな存在だ。
と考え直すことで、
「あなたもそうでしょ。私もそうでしょ。」
と言い合えるそんな自由な雰囲気の社会になるのではないでしょうか。

そいう言う私自身は、どちらかというと自閉的な傾向がある人間です。
縁側でずっと雨の音を聞いていたり、
洗濯機が回るのをずっと見ていたり、
友達と遊ぶよりも、ずっと一人で空想の中で遊んだり、
そんな少年時代を過ごしてきました。

すべてが平均値だという人間はいませんよね。
そしてその平均から外れているということこそが、
まさに個性なのです。



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